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院長と麻酔科医の無痛分娩あれこれ

無痛分娩を開始したら貧血の症状が出た(後編)

2024年05月03日

無痛分娩開始後に、『立ち眩みのような感じ』『めまい』『耳鳴り』『くらくらする』『ボーっとする』の症状が起こる最も多い理由は低血圧です。低血圧は血圧が下がることで脳に血液がいかなくなり、酸素が不足することで、先ほどの症状が起こります。

低血圧になる理由として2つ考えられ、1つは麻酔により血管が広がり、血圧が下がる場合と、もう一つは仰向けでいる場合、仰臥位低血圧症候群といって、赤ちゃんがいる子宮がお腹の上にドーンと乗っかっているために血管が圧迫され、血圧が下がる場合です。

横向けや、輸液を増やしたり、血圧を上げる薬を使うと直ちに回復するので心配ありません。

これらの症状が出た場合は、慌てずにすぐにスタッフを呼んでください。

無痛分娩を開始したら貧血の症状が出た(前編)

2024年04月19日

膜外無痛分娩を開始した後に、『貧血になった』と患者さんが仰ることがあります。この貧血とは『立ち眩みのような感じ』『めまい』『耳鳴り』『くらくらする』『ボーっとする』などの症状をまとめた表現でされます。朝礼で立っているときに立ち眩みが起こるときと同じ症状です。実はこの『貧血』という言葉は医療用語としては正しくありません。医療で使う『貧血』は血液中のヘモグロビンという物質が少ないときに使います。ヘモグロビンは酸素を運ぶ際に必要となり、これが少ないと酸素が血液で運べなくなってしまいます。脳に酸素が回らなくなると、前述した『立ち眩みのような感じ』『めまい』『耳鳴り』『くらくらする』『ボーっとする』といった症状は出ることはありますが、これらの症状が起こるからといって必ずしもヘモグロビンが低いわけではありません。ヘモグロビンが低い理由は出血や鉄不足などがありますが、麻酔が原因でヘモグロビンは低くならないので『貧血』には当てはまりません。

では、なぜこれらの症状が麻酔後に起こることがあるのでしょうか?

背中の麻酔で電気が流れたような衝撃が起こる?(後編)

2024年04月05日

では響くとき、痛いときは管が神経に近いことが原因であれば、神経に近い管はいけないのかということになりますが、近ければよく効くからいいのではないかと考えそうですが、それは違っていることを解説します。神経に近い管は大概左右どちらかに寄っていることや限局的な広がりしかしないことがあります。例えば、右の腰に響く場合、薬を開始してもそこばかり効いてしまうことになります。これは管が右腰の神経の近くに寄っているために、神経の『響く感じ』や痛みが起こり、薬を入れても、そこにしか効かないという状況になってしまうので、無痛分娩を行う上でも有効ではありません。管の挿入で『響く感じ』や痛みが起こったらすぐに伝えましょう。ちなみに麻酔を開始してしまうとこれらの『響く感じ』や痛みは麻酔によって緩和します。麻酔を止めたらまた出てきます。管を挿入したときは大丈夫でも途中で管が移動することがあり、最初は大丈夫でも、途中で痛むこともあります。

帝王切開で術後鎮痛として使用する硬膜外麻酔も同様です。『響く感じ』や痛みがあれば伝えましょう。

背中の麻酔で電気が流れたような衝撃が起こる?(前編)

2024年03月22日

ネットや外来での質問の中に、以前に背中の麻酔の管を入れたときに電気が流れたような衝撃が起こったと話される方がいらっしゃいます。これは異常なのか、事故なのか、心配ないのかという質問ですが解説したいと思います。

我々が行う硬膜外鎮痛では脊髄神経(背中の神経)の近くに管を入れてきます。実際の脊髄神経までは内側から髄液、くも膜、硬膜を隔てているので、直接麻酔の管が神経を触ることは通常ありません。しかし、神経は非常に敏感なところなので、管が神経の近くに寄ってくる圧力だけでも神経症状として、『響く感じ』や痛みとして出てきます。硬膜外カテーテルを挿入する際にこれら『響く感じ』や痛みは神経の近くを通っているサインです。管が入っている感じくらいはあるかもしれませんが、『強く響く』※場合や『強い痛み』がある場合は、神経に近すぎる可能性があるので、スタッフにしっかり伝える必要があります。管を調節したり入れ替えたりすることで簡単に改善することができます。

※『強く響く』感覚はときに電気が流れたような衝撃と形容されます

当院の無痛分娩は和痛ではなく無痛です

2024年03月08日

日本には無痛分娩と和痛分娩という言葉があります。それらをまとめて鎮痛分娩や麻酔分娩などと言いますが、当院の分娩は和痛ではなく無痛です。

和痛にもいろいろあります。最初痛みを感じて途中から麻酔をする方法や、最初麻酔をして最後だけ麻酔を切る方法や、分娩中ずっとそれなりに痛みを感じる方法です。

当院の無痛分娩は最初から最後まで、まったく痛くない状態を目指しております。

完全に痛みを取った状態でありながら、安全性の確保は十分に行ってまいります。

大前提として、お母さんと、赤ちゃんの安全性を最重要視して、そのうえで、痛みを取っていきます。

前回和痛で、今回当院で無痛を希望される方も結構おられます。痛みが全くない状態で出産されることを体験するととても喜んでもらえ、我々もとてもうれしいです。

もし痛みをなるべくゼロにしたいのであれば、是非お勧めします。

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